HOME >中部経済新聞連載記事やる気を引き出す目標の設定法
イチローのコメントに学ぶ
「嬉しくかつ悔しい」会議を通して、部門の適切な目標を決める。本日はそんなお話をします。
あるイベントの動員数の目標値を決める会議。
管理職:「昨年の動員数が約3,000人だから、今年は3割アップで3,900人を目標にしよう。かなり高い目標だとは思うけど、既存のお客様の掘り起こしや、紹介のお願いなどをして、なんとか達成させよう。みんないいかな?」
部下(心の中で):「高すぎるよ。ムリムリ。去年あれだけ苦労して3,000人なのに。絶対ムリ!できるわけないって!」
高すぎる目標に対し、全くやる気なしの状態です。
社員がやる気を持って取り組んでもらえる、そんな目標はどうしたら設定できるのでしょう。
心理学的には、やる気が出る目標とは、「成功確率が50%〜90%」の目標だといわれています。
とても達成できそうにない目標ではやる気は出ません。(成功確率が低い:0%〜49%)
逆に簡単に達成できそうな目標でもやる気は高まりません。(成功確率が高い:91%〜100%)
「難しすぎず、簡単すぎずの目標」がやる気を引き出す目標ということです。
しかし、どうしたら「難しすぎず、簡単すぎず」を判断できるのでしょう。
唐突ですが、まだ記憶に新しいWBCでのイチロー選手のコメントを思い出してみたいと思います。その言葉にヒントがあります。
負ければ決勝トーナメントへの進出がほぼ絶望となる韓国戦で敗れたときのコメント。「ボクの野球人生でもっとも屈辱的な日です」。本当に悔しかったのでしょう。
しかし、日本は奇跡的に決勝トーナメントに進み、世界一に輝きました。
優勝したときのコメント。「今日は、ボクの野球人生で最高の日です」。最大の悔しさと最高の喜びをこの大会で感じたことになります。
もし、当たり前に優勝できる大会だったら(成功確率が高い)、優勝しても「人生最高の日」まではいかなかったでしょう。
逆に、優勝なんて夢のまた夢の大会だったら(成功確率が低い)、韓国に負けたとき「最大の屈辱」とまでは思わなかったはずです。
イチロー選手のように、「達成できたら本当に嬉しい、達成できなかったら本当に悔しい」、そんな気持ちになれる目標。大雑把ではありますが、これが「難しすぎず、簡単すぎず」の成功確率50%〜90%の目標といってもいいのではないでしょうか。
ぜひ、管理職の方は目標を決める会議で、こう部下であるメンバーに尋ねてみてください。「この目標でいきたいとは思うんだけど、一度、みんなに聞いていいか?この目標が達成できたら、どれぐらい嬉しい?逆にもし達成できなかったら、どれぐらい悔しい?」
と。
ただ、もし、管理職がこの程度は実現したいと思っているにも関わらず、達成できなくても悔しくないといわれた場合は、「目標達成までの道筋が部下には描けていない」と考えて、目標達成の手段を明確にすることを心がけてみてください。
さて、6月9日からのサッカーワールド杯、日本が優勝できたら嬉しい?できなかったら悔しい?




